「ブッキングドットコム」未払い問題 初の直接謝罪も「中身なかった」 日本法人代表は直撃取材に…【news23】

世界最大級の宿泊予約サイト「ブッキングドットコム」の代金未払い問題。18日、日本法人の代表が初めて宿泊施設のオーナーらに直接謝罪。納得できる説明はされたのか、私たちも代表を直撃しました。
未払い問題で初の直接謝罪も…「中身はなかった」
いま、多くのオーナーが説明を求めています。
喜入友浩キャスター「竹村さん、支払い問題について教えてください。困っている施設がいるんです。竹村さん、いつ支払われるんでしょうか。公の場で説明されないんでしょうか」
都内の建物に現れたのは、世界最大級の宿泊予約サイト「ブッキングドットコム」日本法人の竹村章美代表取締役です。
10月18日、宿泊施設を経営するオーナーらとの話し合いの場が設けられました。
今回はオーナーらが呼びかけた形で、問題発覚後、面会するのは初めです。
ブッキングドットコムをめぐっては、宿泊施設への未払いが全国で相次いでいます。
箱根藍瑠渡辺健支配人「入金の遅延が発生する可能性があるということで、銀行振込を予定通り行うことはできないという旨のメッセージが」
宿泊施設では、客がブッキングドットコムを通し、予約と支払いを行うシステムを利用しています。
しかし、少なくとも今年6月以降、「システムのメンテナンスの影響」として詳しい説明がないまま、ブッキング側から支払われる予定だった宿泊料金の支払いが遅れているのです。
箱根藍瑠渡辺健支配人「今後、取引先への支払いや従業員の給与の渡し、どの程度対応できるか。少し体力勝負的な部分も出てきてしまうかなと思う」
18日の話し合いは1時間程度で終わりました。出席したオーナーや弁護士によると、ブッキングドットコム日本法人の代表からは謝罪があったそうです。
ただ、有意義な話し合いではなかったようです。
提訴を予定松尾政彦さん「本当に責任感を持たずに来たなと。(Q.中身はなかった)僕の中ではない。(Q.進展した内容は)進展…進展って何っていう感じ」
オーナーらは20日、ブッキング側を相手取り損害賠償を求める訴えを起こす予定です。
原告側加藤博太郎弁護士「この状況が数か月続くとなると、どんどん日本で宿泊業者が倒産してもおかしくないという事態に発展しかねない。なので、速やかにお支払いいただきたいと、まず求めていきたい」
ブッキング側からの9月分の宿泊料金約600万円が予定していた日に振り込まれていないというオーナーは。
都内のホテルを経営「9月分に関して返答がないので、ちょっとどうなっちゃってんだろうと。しっかりした原因と対策を記者会見などで発表していただきたい」
依然として、支払いの遅れについて原因や対策を公の場で説明していないブッキング側。 私たちは代表に直接聞きました。
記者「宿泊施設に説明する予定はないんですか?宿泊施設の方、説明求めてますよ。困っている宿泊事業者の方いっぱいいるんですよ。答えなくていいんですか、公の場で」
この問題を所管する観光庁は10月、ブッキング側に説明を求めたといいます。
観光庁髙橋一郎長官「同社(ブッキングドットコム)として、全ての取引相手への送金操作は済ませているが、国際送金の際、いろんな金融機関が間に挟まりますので、その金融機関間の情報連携上のトラブルなど、技術的な問題を一つ一つクリアしているということなので、それを至急進めるようにと。(ブッキング側は)『そう取り組みます』と」
未払いはなぜ続く?観光庁からも具体的対応策の明言なし
喜入キャスター:私達の取材では、少なくとも3か月、この未払いの問題は続いています。その中で、経営が厳しくなっているという施設があるのも事実です。そういった中で、18日、観光庁の会見に出席しましたが、具体的対応策の明言はありませんでした。もうどこに頼ったらいいんだろうというような状況なんですね。
そもそも、ブッキングドットコムはどういう説明をしているかといいますと、一連のトラブルについて、「予期せぬシステムエラーで送金できない事態が起こった」。これを繰り返してるんです。
小川彩佳キャスター:この3か月の取材の間にもこの説明は変わってないわけですよね。
喜入キャスター:そうです。では、この予期せぬシステムエラーとは何なのか。具体的に回答が返ってきた施設もあります。そこではこのような説明でした。「システムで日本語がうまく読み込めない」と。漢字、カタカナ、ひらがな。これがシステムでうまく読み込めないので時間がかかっていると。ただ、海外でも同様の未払い問題が起きていますので、日本語に限った問題ではないので、この説明も納得がいかない。
さらに、最近になって入金があった施設もあったんですが、本来は1か月分入るはずだったのが、2日分だけしか入金されていなかったということなので、ここにも不安感が募るということになっています。
説明を求めても、入金を求めても、暖簾に腕押しといった状況がもう3か月続いているということになる。
小川キャスター:番組でもお伝えしていますが、そのたびにその翌日に事業者に振り込まれるというケースもあったりですとか。
トラウデンさん、このシステムエラーという説明ですが、これはどうですかね。
トラウデン直美さん:システムエラーだとしても、もう少し早い説明や納得のいく説明があるはずですし、期間がこれだけ長いと、長くなればなるほど立ち行かなくなる事業者も出てきてしまう。そうなったときにどう責任を取るんだろうなっていうことはやっぱり正直、気になるところではありますね。一利用者としては、ちゃんと自分が払ったものがそのホテルにいってるのかどうかっていうのも気になるところではあるじゃないですか。だから本当にできる範囲でではありますけど、現地で払うっていうことを選択するしかないですよね。これだけ大きなプラットフォームだと使わざるを得ないときもあるような気はするので。
東京大学 斎藤幸平准教授:この傲慢な態度には2つ理由があると思うんですね。1個は今言った、使わざるを得ないっていう話で、ある程度のプラットフォームが規模になってくると、規模の経済っていうんですが、もう便利だから使わざるを得なくなってしまう。そこはもう彼らは開き直ってるわけですね。多少あっても使わざるを得ないだろうと。
もう1個は、やはりプラットフォーム企業っていうのは新しいものなので、今回、観光庁も何もできないっていうことからみられるように、法整備がまだ全然追いついていないので、特にこれで何か自分たちがされることないだろうというふうに高をくくってるところがあるんではないでしょうか。
小川キャスター:少なくとも、どこも頼るところがないという状況に追い込まれてしまっている方々。これだけは何とか突破口を見つけたいところですね。

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