大阪府警の誤認逮捕事件 別事件逮捕の容疑者が関与認める供述

大阪府警が20代男性を2回誤認逮捕したリベンジポルノ防止法違反などの事件で、同じ被害女性のわいせつ画像をインターネット上に投稿したとして逮捕された美容師の山本紘平容疑者(31)=大阪府枚方市=が関与を認める供述をしていることが23日、捜査関係者への取材で判明した。府警は山本容疑者の関与の有無を慎重に捜査している。
この事件では、写真共有アプリ「インスタグラム」を通じて知人の20代女性に危害を加えるなどのメッセージを送ったとして、府警守口署が4月12日、無関係の男性を脅迫と強要未遂の疑いで逮捕。5月2日には、女性の友人らにわいせつ画像を送ったとするリベンジポルノ防止法違反の疑いで再逮捕した。しかし、その後に男性のアリバイが確認され、府警は7月に誤認逮捕だったと発表し、大阪地検がいずれの容疑も不起訴(容疑なし)とした。
府警が再捜査したところ、被害女性と以前交際していた山本容疑者が浮上。10月4日、女性が勤める美容院のインスタグラムの偽アカウントを作成し、女性のわいせつ画像を5月に投稿して美容院の業務を妨害したとする偽計業務妨害などの疑いで逮捕した。
捜査関係者によると、山本容疑者は取り調べのなかで誤認逮捕事件への関与を認めたという。誤認逮捕事件でメッセージや画像の送信元になったインスタグラムのアカウントの一つは3月21日、大阪北部の商業施設内のWi―Fi(ワイファイ)を通じて開設されていた。周辺の防犯カメラに山本容疑者と似た人物が映っていたという。
また、逮捕容疑のわいせつ画像が送られた時期は5月下旬で、誤認逮捕された男性が5月23日に処分保留で釈放された直後だった。府警は、男性が再び女性に嫌がらせを始めたと印象づける狙いがあった可能性もあるとみている。【横見知佳】

シェアする

フォローする