宝塚歌劇団に所属していた劇団員の女性が死亡した問題。12月7日に遺族側の弁護士が会見を開きました。 (遺族コメントを代読する井上耕史弁護士)「娘と会えなくなってから2か月が経ちました。いまでも娘からのLINEを、電話を、そして帰ってくる足音を待ち続けています。劇団が調査を依頼した弁護士による調査報告書の内容は到底納得できません。劇団がパワハラを一向に認めない姿勢に憤りを感じています。娘はもう何を言うこともできません。それを良いことに自分たちに都合の良いように真実をすり替え、娘の尊厳をこれ以上傷つけるのはやめてください。私たち家族は劇団とパワハラを行った上級生が真実を認め謝罪することを求めます」 12月7日午後4時に会見を開いた遺族側の弁護士。主要なパワハラ行為は15あったとして、その証拠を明らかにしました。 亡くなった女性がヘアアイロンでやけどを負った時の写真。当時、女性が母親と交わしたLINEには次のように書かれていました。 『まえがみ●●にまかれてやけどさされた』 『ちゃいろになってる』 『わたし、でこ、さいあく』 『くすりもらってぬってるけど、芝居の通しが痛かった』 『わざとな気がする』 劇団側は11月14日に開いた会見で、上級生からのいじめやハラスメントは確認できなかったと主張してきました。これに対して遺族側の弁護士は… (川人博弁護士)「(歌劇団側の)報告書は故意があったかなかったかということを問題にして、故意があったかなかったか判然としないからパワハラではないと。しかし、そもそもああいう危険な高温なもの(ヘアアイロン)を、わざわざ下級生が『自分でやる』と言っているのに上級生が『私がやってあげる』としてやって、その結果、上級生の過失でけがをさせて、それ自体パワハラですよ」 また他にも… (川人博弁護士)「『プロデューサーからは新人公演のダメ出しで上級生に老けて見えるとか人格否定のような言葉を浴びせられていたようだとのこと』という記載があります。調査報告書が認定している事実を見ても、これはパワハラでしょということがたくさんあるんです。例えば、何度も何度も『あなたは嘘を言っているのではないか』と質問したということを報告書は認定しているんです。その時点でパワハラなんです。証言採用の方法が極めて恣意的・独善的・非合理的であると。結論からみれば、パワハラはなし・過重労働はありという、ある意味結論ありきの報告書になってしまったのではないかと」 今回、このような会見を開いた理由については… (川人博弁護士)「(前回の)宝塚の記者会見で『納得できないのであれば、ご遺族側は証拠を出してほしい』という発言があった。劇団の方にできるだけしっかりした証拠を提出して、認識を変えてもらう他はないと。我々はまさか今に至ってそういうことはしないだろうということで、きちっと話を証言してくださっている劇団員の方に対して、絶対に変な圧力を加えたり行動をとらないように劇団には強く求めたい。そういうことを劇団に要求することを含めて、証拠をできるだけプラスして出すようにした」 遺族側は12月後半に劇団側と2回目の面談交渉を行うとしています。