岸田首相（自民党総裁）は７日、自らが会長を務める岸田派（宏池会）を離脱すると表明した。自民派閥による政治資金パーティー収入の過少記載疑惑に触れ、「総理・総裁の任にあるうちは、派閥を離れるのが適切な対応だと考えた」と首相官邸で記者団に語った。同派幹部によると、会長職は空席にするという。
首相は、「私自身、先頭に立って党の信頼回復に向け努力したい」と強調した。疑惑に対する世論の批判が高まっており、党全体として再発防止策を講じるには派閥から距離を置き、中立的な立場で対応する必要があると判断したとみられる。
茂木幹事長など派閥を率いる他の党幹部については、「派閥離脱を求めることは考えていない」と述べた。
自民では首相就任に伴い派閥を離れる慣例があったが、首相は岸田派会長にとどまり、「派閥政治を引きずっている」（菅前首相）と指摘されていた。
首相は６日に党本部で開いた会合で、当面の対応策として派閥の政治資金パーティーの開催自粛を主要党幹部に指示した。今後、疑惑の実態解明の進展に応じて、新たな対策を検討する考えだ。