高木・西村氏も更迭、岸田首相検討=自民に安倍派一掃論―近く人事・裏金疑惑

自民党最大派閥・安倍派が政治資金パーティー収入を還流させて裏金化していた疑惑を巡り、岸田文雄首相(党総裁)は、還流を受けた疑いのある同派の高木毅国対委員長と西村康稔経済産業相を更迭する方向で検討に入った。閣僚・副大臣・政務官の政務三役から同派所属の計15人全員を外す案も浮上。複数の政権関係者が10日、明らかにした。早ければ13日の今国会会期末に合わせて人事を行う案が出ている。
首相は10日、自民の茂木敏充幹事長、森山裕総務会長と首相公邸で個別に会談。岸田派所属の宮沢洋一税制調査会長、木原誠二幹事長代理とも意見交換した。また、萩生田光一政調会長とは東京都内のホテルで会談。いずれも人事について協議したとみられる。
安倍派では「5人衆」と呼ばれる中核の高木、西村両氏と松野博一官房長官、萩生田氏、世耕弘成参院幹事長の全員に裏金受け取りの疑いが浮上。首相は既に松野氏更迭の意向を固めている。松野、西村、高木の3氏はいずれも事務総長として派の実務を取り仕切った経験がある。
西村氏は10日、茨城県那珂市で記者団の取材に応じ、安倍派の疑惑について「幹部の一人として責任を感じている。おわび申し上げたい」と陳謝。自身の進退に関しては「与えられた職責を全うしたい」と辞任を否定した。
党内では政権立て直しのため、事務総長経験のない萩生田、世耕両氏も交代させ、5人衆を一掃すべきだとの声も出ている。
一方、安倍派所属の閣僚は松野、西村両氏に加え、鈴木淳司総務相、宮下一郎農林水産相の4人。副大臣5人、政務官6人を含む計15人全員が交代すれば、最大派閥を重視して安定化を図ってきた首相の政権運営に影響しそうだ。
[時事通信社]

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする