田中角栄元首相が平成5年12月16日に他界してから30年を迎えた16日、駐新潟中国総領事館や田中角栄記念館などの主催でしのぶ会とシンポジウムが新潟市内で開催された。長女の真紀子元外相(79)は、亡くなったときのことを詳細に振り返り、「30年前のことだが、昨日のことのように思い出す」と語った。
昭和47年9月、北京で日中共同声明に調印し、日中の国交を正常化した際のエピソードも披露。「『中国に殺される覚悟で行く。だから(真紀子氏を中国に)連れていけない』と言って父(元首相)は向かった。帰国すると、『中国の毛沢東氏も周恩来氏もすごい人物だった。中国に連れていくべきだった』と話していた」という。
会場には、夫の直紀氏(83)も駆け付けた。夫妻はこの後、新潟県柏崎市にある田中元首相の墓参りをする予定という。
中国の呉江浩(ゴ・コウコウ)駐日大使は「新潟に来るたびにしのぶ気持ちがわいてくる。田中元首相が残した中日関係を今後もつくっていくことが供養になる」とあいさつした。