「まさか教師が暴力とは」 被害児童2人の父親、学校に不信感あらわ

兵庫県姫路市立小学校の特別支援学級で男性教諭(41)から暴言や体罰を受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したとして、男子児童2人と保護者が18日、姫路市に計2000万円の損害賠償を求める訴訟を神戸地裁姫路支部に起こした。児童側は「生きる価値なし」などの暴言が繰り返されたことで「安全なはずの学校で日常的に虐待され、著しい精神的苦痛を受けた」と訴える。
「まさか教師が暴力を振るっているとは」。男子児童2人の父親は提訴後にそろって記者会見し、学校側への不信感をあらわにした。児童が「学校が怖い」と登校を拒むこともあり、日常生活に今も影を落としているという。
2人は現在6年生で、被害当時と同じ小学校に通っている。睡眠障害などの症状がある児童はPTSDの治療のため、通院や投薬が欠かせない。父親は「治療が何年かかるか分からず、子供も家族も苦しんでいる」と語る。
県教委は、教諭による暴言や体罰は2018~21年にわたり続いたと認定している。この父親は「校長らが把握した段階で対応していれば、こんな事態にならなかった」と批判。「管理職の保身や事なかれ主義の結果だ」と言葉を強めた。
理由もなく泣き出すことがある児童の父親は、子供を守るはずの学校で許されていた横暴な言動に「まさか」と驚いた。「学校は『熱心な教師だ』として守ろうとし、逆にこちらが責められるような態度を取られた」と振り返る。
父親らにとって訴訟に踏み切るのは重い決断だった。ただ、被害を訴えることで同じ事態が二度と起きないことを願っており、「子供を苦しませることがないような学校づくりをしてほしい」と話した。【中田敦子】

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