JR京葉線、ラッシュ時の通勤快速と快速「全廃」へ…千葉市長批判「千葉の価値揺るがす」

JR東日本千葉支社は来年3月16日にダイヤを改正し、京葉線の朝と夕方以降の時間帯で通勤快速(外房・東金線、内房線との直通を含む)と快速を各駅停車に変更する。通勤・通学や帰宅のラッシュ時に、列車の混雑を緩和する狙いだという。ただ、全てが各停になる結果、所要時間が増える利用者もいるため、批判的な声も相次いでいる。
ダイヤ改正は今月15日、同支社が公表した。広報担当者は、各停を増やすことで乗客が分散する効果を挙げる。午前10時~午後3時台は、快速も走る。
乗車時間が長くなることに対し、利用者や沿線自治体の首長は懸念や不安を示す。
蘇我―東京駅間の所要時間でみると、平日朝の上り通勤快速は平均41・5分。各停は平均55・5分で14分増える。夕方の下り通勤快速は平均37・5分だが、各停では約19分増の平均56分だという。
千葉市内には、通勤快速停車駅の蘇我駅や、快速停車駅の海浜幕張駅などがある。神谷俊一市長は21日の記者会見で、ダイヤ改正によってラッシュ時の通勤快速と快速が「全廃」されるとの認識を示し、「廃止は極端な対応。市民生活を支える公共交通のあり方として容認できるものではない」と強く批判した。「千葉市の価値を揺るがす」とも述べた。
神谷市長のX(旧ツイッター)などには、「通勤時間帯の快速を維持してほしい」「転職や引っ越しを考えないといけない」といった声も寄せられているという。神谷市長は近く、同支社から具体的な説明を受ける。改正見直しを申し入れることも検討している。

通勤快速などを各駅停車にする京葉線のダイヤ見直しに関連し、熊谷知事は21日の記者会見で、「沿線住民や事業活動に大きなマイナスがある。県として容認できない」と述べた。ホームの混雑解消などに寄与するとの認識を示したものの、「強い形で申し入れを行っていきたい」と述べた。

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