日航の国内線で整備の責任者による確認をせずに運航するなど一部不適切な作業があり、整備に関連する記録を削除していたなどとして、国土交通省は22日、日航のグループ会社「JALエンジニアリング」に業務改善勧告を出した。運航に影響はなかったが、国交省は航空の安全に影響を及ぼす重大な違反行為だとしている。
勧告書で国交省は「会社として安全運航を最優先とする意識が損なわれているところがある」と指摘。コンプライアンスの徹底と安全管理体制の再構築などを求め、2024年1月16日までの再発防止策の報告を指示した。
JALエンジニアリングの田村亮社長は「指導に沿って再発防止と信頼回復に努めたい」と話した。
国交省などによると、今年9月に羽田発熊本行きの便で使用された航空機の運航前の整備作業で、整備の責任者が、航空法で定める記録や機体外観の確認をしていなかった。責任者は上司に報告したが、上司はその日の夜に改めて整備と確認をすれば問題ないと考え、計4便の運航を続けた。再度整備し直すため、作業記録を社内のシステムから削除していた。