能登半島地震の影響で、海底だった部分が隆起して陸地になる“海底隆起”が日本海側の各地でみられました。隆起によって水位が低くなり、漁業関係者は「港として使えない」と話します。なぜ隆起したのか?原因について詳しくみていきます。
推定3.9mの隆起を確認
上村彩子キャスター:今回の地震では海底隆起によって、陸地化した地域が多く見られました。
国土地理院によりますと、石川県・能登半島の日本海沿岸で約80キロにわたって隆起が確認され、大きいところで約4mも隆起したということです。
また、珠洲市・長橋漁港や輪島市・名舟漁港などでは、震災前に海面だった部分が、震災翌日には陸地化し海岸線が変化しました。
東京大学地震研究所によりますと、輪島市の鹿磯漁港では、推定3.9mもの隆起が確認されたといいます。その隆起の影響で海面が干上がり、船が港につくことができない状況です。
地元の漁業関係者は「スルメイカ漁が盛んだったが、港として使えなくなった。これでは生活が成り立たない」と話しました。
「大規模な海底隆起した場所が、元に戻ることはないが…」
井上貴博キャスター:漁ができないとなると、漁業関係者が土地から離れてしまう。そうすると、土地の生態系が変わり、町の人口も減り、過疎化が進む。町がパワーダウンしてしまうんだと、現地では多くの方が嘆いていらっしゃいました。
上村キャスター:海底隆起した部分が、今後、元に戻るのでしょうか?京都大学防災研究所の西村卓也教授によりますと、「大規模な海底隆起した場所が、元に戻ることはない。ただ、今後同じくらいの海底隆起が、数年で起こることはないと考えられる」と話しています。