辺野古、軟弱地盤側で工事着手=代執行で承認、完了まで9年超―沖縄知事「極めて乱暴で粗雑」

政府は10日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設のため、軟弱地盤がある大浦湾側の工事に着手した。国は昨年12月、玉城デニー知事に代わって工事を承認する「代執行」を行った。工事完了は9年3カ月後の見込み。玉城知事は「極めて乱暴で粗雑な対応だ」と強く反発した。
護岸整備に用いるコンクリート製ブロックの仮置き場となる海上ヤードを造成する作業が10日、始まった。午後には、台船から重機で石材を投下する様子が確認された。
玉城知事は同日夕、県庁で取材に応じ、工事の即時中止と対話を要求。林芳正官房長官や木原稔防衛相に一度も面会できていないとして、「『丁寧な説明』と真逆だ」と批判した。
岸田文雄首相は首相官邸で記者団に「普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければならない。(沖縄に対する)丁寧な説明を続けていきたい」と強調。木原防衛相も県側が懸念する環境への影響に関し、「サンゴ類の生息環境に影響は与えないことを確認している」と述べた。
埋め立ては、予定面積の約3割に当たる辺野古崎南側でほぼ完了している。一方、北側の大浦湾で軟弱地盤が見つかり、国は地盤改良のための設計変更を県に申請。県が応じなかったため、国は法廷闘争を経て昨年12月28日、斉藤鉄夫国土交通相が代執行手続きを実施した。
政府は今後、埋め立て海域を囲む形で護岸整備を行い、年内には地盤安定化のため、砂のくい約7万1000本を海底に打ち込む改良工事に着手。本格的な埋め立てを進める予定だ。
[時事通信社]

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