JAL機パイロット、衝突後「ブレーキやハンドル機能せず」「機体が滑っている感覚」

東京・羽田空港の滑走路上で日本航空と海上保安庁の航空機が衝突した事故を受け、海保は安全体制の再確立と隊員の精神的ケアのため、羽田航空基地での航空機の運用を当面停止する。再開時期は未定で、その間は周辺基地の航空機などが羽田管内をカバーする。
羽田基地は固定翼機(飛行機)4機、ヘリコプター2機の計6機の航空機を配備。このうち飛行機4機は、衝突事故や定期点検などで飛行できない状況になっている。
飛行機1機は12日にも点検整備から復帰するが、衝突事故の後、心身の不調を訴える隊員も出ており、海保は「隊員への再教育などを通じて安全を再徹底し、心のケアにも万全を期す必要がある」として運用停止を決めた。
再開までは、宮城県内や大阪府内の基地の飛行機に加え、24時間以上の連続飛行が可能な無人航空機「シーガーディアン」を活用する。羽田基地の属する第3管区海上保安本部(横浜市)では、巡視船搭載のヘリの運用を続け、救難活動などにあたる。
一方、海保機と衝突した日航機のパイロットらが、日航や運輸安全委員会の聞き取り調査に対し、「ブレーキやハンドルなどを操作したが機能せず、アンコントローラブル(操縦不能)と認識した」と話したことが、関係者への取材でわかった。
日航機は海保機と衝突した直後に炎上し、約1500メートル先で停止した。この間の状況について、パイロットらは「機体が滑っている感覚だった」と表現したという。
運輸安全委などは、衝突直後の日航機の損傷状況についても調査を進める。

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