死者の8割超、家屋倒壊で 県氏名公表の80人中 能登半島地震

1日に発生した能登半島地震で、石川県が氏名を公表した死者80人のうち、8割を超える69人が家屋倒壊によって亡くなっていたことが判明した。詳しい死因は不明だが、倒壊家屋の下敷きになり、圧死した人が多かったとみられる。県内の住宅被害(一部破損含む)は18日時点で約2万9000棟に上るが、甚大な被害が出た輪島市、珠洲(すず)市の建物倒壊の全容は今も分かっていない。
県内の死者数は232人(うち災害関連死14人)。県は15日から、遺族の同意が得られた死者について、氏名▽自宅のある市町▽性別▽年齢▽死因――の公表を始めた。死因は確認できた被災状況を示している。
県が18日までに公表したのは3~97歳の80人(男性37人、女性43人)。自宅の所在地別では、輪島市37人▽珠洲市27人▽穴水町7人▽金沢市6人▽七尾市2人▽能登町1人――となっている。
うち家屋倒壊で死亡した人は69人に上った。土砂災害で亡くなったのは8人で、津波が1人。残る2人の死因は非公表だが、このうち輪島市の89歳女性は遺族によると倒壊した自宅から救助され、病院搬送後に亡くなった。
県内では土砂災害で20人以上が犠牲になったことも明らかになっている。火災で全域が焼失した輪島市の「朝市通り」では10人の遺体が見つかり、県警が身元や詳しい状況を調べている。
輪島市と珠洲市の住宅被害は深刻で、余震による倒壊など2次被害を防ぐための「応急危険度判定」は、17日時点で両市とも立ち入るのが危ない「危険」(赤)が5割を超えている。【柴山雄太、深尾昭寛】

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