<独自>「耐震」の水道管も破断 輪島市、震度7想定も予想外の揺れか

能登半島地震で震度6強を観測し断水が続く石川県輪島市で、主要な上下水道管のうち耐震性能を持つとされる「耐震管」が破断していたことが市への取材で分かった。地震発生から22日で3週間。市は震度7の揺れでも耐震管に重大な影響はないとみていたが、複合的な要因で想定以上のダメージを受けた可能性があり、水道の耐震化について見直しを迫られそうだ。
輪島市内では、発生当初からほぼ全域の約1万世帯で断水が続く。地震の激しい揺れで浄水場などに亀裂が入ったほか、水を送る主要な水道管が継ぎ手で抜けるなどして破断したためだ。
市の調査によると、上下水道管の破断は18日時点で少なくとも浄水場内の5カ所と配水池などにつながる4カ所の計9カ所で確認された。調査は市内の一部にとどまっており、さらに増える恐れがある。
このうち、配水池につながる主要な上水道管2カ所は、継ぎ手が抜けにくい耐震管「NS形ダクタイル鋳鉄管」だった。配水池も平成7年の阪神大震災後に設けられた基準をもとに耐震化されていたが、今回の地震で亀裂が入り、貯水できない被害があった。
水道管や配水池など重要な水道施設について、厚生労働省は20年の省令改正に伴い、施設の設置場所で想定される最大規模の地震でも「重大な影響を及ぼさない」程度の耐震化を進めるよう自治体に求めている。
耐震管が破断した原因について、輪島市上下水道局の登岸浩局長は「想定以上の揺れで斜面が横滑りし、耐震管が(継ぎ手のところで)抜けたようだ」と分析。「今後どう対策すればいいか分からない」と頭を抱える。
市は現在、配水池を経ず浄水場から市街地に直接水を送るバイパスルートを設置。17日から試験的に通水するなど修復を進め、市は3月末までに断水を解消したい考えだ。一方、下水道の修復は進んでおらず、復旧見通しは不明という。

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