宝塚が一転〝パワハラ認める〟歌劇団員急死、上級生らが遺族に謝罪へ 演劇関係者「当初は窮地に追い込む〝勇み足〟も」

宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の宙組に所属する女性(25)が昨年9月に急死した問題で、歌劇団の親会社である阪急阪神ホールディングス(HD)側が一転、上級生らのパワハラを認めることになった。当初、不完全な調査でパワハラを否定したことで批判を浴び、宙組は2~3月の公演も中止する事態が続いている。
今後、阪急阪神HDの首脳陣や不適切な叱責などの言動があった上級生らが遺族側に謝罪するという。
遺族側は、上級生らによるパワハラや長時間労働が原因で自殺に至ったと主張。歌劇団側は昨年11月、調査報告書で過重労働など歌劇団側の過失は認めたが、劇団員によるいじめやパワハラは「確認できなかった」としていた。
しかし、ヒアリング調査は4人の劇団員が応じていないものであった上、会見で村上浩爾理事長(当時は専務理事)が「(いじめがあったと言うなら)証拠を見せていただきたい」と発言したことが物議を醸すことに。
このため、遺族側は昨年12月、ヘアアイロンで負ったやけどの痕が残った額の写真や母親に被害を訴えたLINEのメッセージを、証拠として阪急側に送付。その後、歌劇団側は遺族側と複数回面談した上で、事実関係の再検討を行っていた。
「当初、不完全な調査のまま、〝勇み足〟ともいえる判断ミスで事態を悪化させた結果、いまだに宙組は2~3月も公演ができず窮地に追い込まれている。宙組は5月に宝塚大劇場(兵庫県)で110周年の記念公演が控えているが、現状ではこの開催も危うい。パワハラを認める以上、宙組の体制を一新するしかない」と演劇関係者は話す。

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