弾劾裁判で訴追委「岡口判事は罷免相当」 殺人事件めぐり不適切投稿

ネット交流サービス(SNS)への投稿で殺人事件の遺族を傷つけたなどとして、国会の裁判官弾劾裁判所(裁判長・船田元衆院議員)に訴追された仙台高裁の岡口基一判事(57)=職務停止中=に対し、裁判官訴追委員会は7日、執拗(しつよう)に投稿し、裁判官の威信を失墜させたとして、「罷免が相当」とする最終意見を述べた。
国会議員で構成される訴追委は、一般の刑事裁判の検察官に当たり、最終意見は論告・求刑に相当する。岡口判事側は「罷免は重すぎる」と主張しており、弾劾裁判所は今月28日に岡口判事側の最終意見を聞いた上で、罷免とするかどうか、判決で言い渡す。
岡口判事は東京高裁判事だった2017年12月、東京都江戸川区の女子高校生が殺害された事件について「首を絞められて苦しむ女性の姿に性的興奮を覚える性癖を持った男」「そんな男に無惨にも殺されてしまった17歳の女性」などとツイッター(現X)に投稿するなど、19年11月までの計13件の表現行為で訴追された。
訴追委は最終意見で、女子高校生に関する不適切投稿で東京高裁長官から18年3月に厳重注意処分、同年10月には最高裁の分限裁判で戒告の懲戒処分を受けたにもかかわらず、遺族を侮辱する投稿を繰り返したと指摘。「品位のかけらもない言語道断の行為。司法に対する国民の信頼を損なわせた」と批判した。【遠藤浩二】

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