「ダメだよ、忍者クン。ココ、オレがやっているところなんだからさぁ。ここでやるなら月1万円でいいから払って。オレは家根弥一家の片山だぞ!」
東京・浅草寺周辺で長年、ラムネの露天商をしている名物テキヤが忍者姿のカタギをこう脅し、御用となった。
恐喝未遂の疑いで7日、警視庁浅草署に逮捕されたのは、指定暴力団住吉会の2次団体「家根弥一家九代目」幹部の「片山」こと小川淳容疑者(56)。
小川容疑者は昨年9月29日午前11時ごろ、自宅近くの伝法院通りで忍者体験施設のビラ配りをしていた男性(当時39)にみかじめ料を要求。怖くなった男性は店に戻り、代わりに責任者が対応しようと外に出たところ、すでに小川容疑者の姿はなかったという。
小川容疑者は15年以上前からこの場所で、リヤカーを引いてラムネの路上販売をしていた。調べに対し、「あいさつがなく、礼儀がなっていなかったので注意しただけ。お金は要求していません」と容疑を否認。警視庁は8日、浅草にある組事務所を家宅捜索し、他にもみかじめ料の要求がなかったかなど、余罪を調べている。
小川容疑者は色付き眼鏡をかけるなど、パッと見はこわもての風貌だが、猛暑の中、満面の笑みを浮かべ、路上でラムネを販売している動画がSNSで配信され、大バズリした。
コメント欄は<修学旅行いった時にこのおじちゃんのラムネ買ったわ。優しかったし、面白かった><この人の笑顔を見るとこっちも笑顔になれる。ステキな笑顔だなぁ><浅草の顔間違いなしのおじさんです>とベタ褒めの嵐。夏場は1日に2万~3万円売り上げていたという。
「自分よりも忍者の周りに外国人とか観光客がたくさん集まるものだから、腹を立てた。人気者でしたから、金が欲しかったというより、単なるねたみだったようです」(捜査事情通)
いっそのこと、忍者の格好でラムネを売ったらよかった。