能登半島地震で被災し、全線で運休していた石川県の第三セクター「のと鉄道」が15日、七尾―能登中島間で約1カ月半ぶりに運転を再開した。穴水駅までの全線再開は4月上旬を目指している。
この日再開されたのは、総延長33.1キロのうち、七尾市内を通る5駅16.3キロ。ホームが沈下したほか、至る所でレールがずれたり、盛り土が崩れたりしていたが、JR西日本などの協力も得て復旧した。
能登中島駅では夜明け前から職員らが車両の点検などに当たり、売店では甘酒が振る舞われた。始発を待っていた県立七尾高3年の山岸穂乃実さん(18)は学校まで親に車で送り迎えしてもらっていたという。「(のと鉄道は)行動の中心。自分で通えるのはありがたく、本当に感謝です」と声を弾ませた。
ボーッ―。午前6時31分、約20人を乗せた始発電車が大きな汽笛を鳴らしながらゆっくりと動きだすと、ホームにいた職員らは手を振って見送った。「のと鉄道運転再開!!お待たせしました!!」とプラカードを掲げる姿もあった。
[時事通信社]