奈良県警は、2023年の投資詐欺と国際ロマンス詐欺による被害状況をまとめた。被害の認知件数は前年の約4倍にあたる計81件(前年18件)で、被害額は13億円を超えた。高額被害が相次いでおり、県警は「面識がない人からの投資や金の話は詐欺を疑ってほしい」と注意を呼びかけている。
県警捜査2課などによると、マッチングアプリやSNSで知り合った相手が投資を勧め、指定口座に現金を振り込ませる投資詐欺は、1年間で56件(同8件)に上り、被害額は9億3800万円に達した。特に、相手に会わないまま被害に遭った人が9割を占めた。
SNSなどで知り合った外国人を名乗る異性に親しみを感じ、現金をだまし取られる国際ロマンス詐欺も1年間で25件(同10件)発生し、被害額は3億8000万円に及んだ。
23年の特殊詐欺被害件数は230件、被害額約5億9300万円で、投資詐欺、国際ロマンス詐欺の1件あたりの被害額の大きさが目立つ。また、インスタグラムやフェイスブック、ネット広告、マッチングアプリなどインターネットを介した勧誘方法が多く、被害者の年代も20~80歳代と幅広い。
県警の梶祐吾・犯罪抑止対策室長はSNSの利用に関して「知らない人からのメッセージを届かない設定にするなど対策し、不安を感じたら、家族や警察に相談してほしい」と話す。
奈良弁護士会は22日午前10時~午後4時、無料の電話相談「投資被害110番」(0742・27・8050)を実施する。消費者問題に詳しい弁護士3人が相談に応じる。通話料は自己負担。