逮捕の女「職場のトイレで出産し…」、寺に乳児の遺体遺棄か 住職務める父親が取材応じる

山梨・甲州市の寺に乳児の遺体を遺棄したとして、32歳の女が逮捕された事件。現場の寺の住職は容疑者の父親で、妊娠にも気づいていなかったといいます。女は市役所の職員で、「職場のトイレで出産した」などという趣旨の供述をしていることが19日夜、新たにわかりました。

多くの警察官が捜査をしていたのは、甲州市で約1300年の歴史がある「清水寺」。その境内に建てられた墓の前には規制線が張られていました。この場所から、生後間もない乳児の遺体が見つかったのです。
去年11月上旬に出産した女児の遺体を遺棄したとして逮捕されたのは、甲州市役所職員の須山真衣容疑者(32)。19日、身柄を検察に送られました。
警察の調べに対し、「乳児を出産した直後に埋葬するため1人で寺に埋めた」と話しているということです。
須山容疑者について、一緒に働いたことがあるという人は「にこにこして明るいイメージ。お客さんともちゃんとしゃべれて、トラブルもなかった。普通に接客して仕事できる子。そんなことするとは思わなかったので、非常に驚いた」と話していました。
乳児の遺体が見つかったのは、今月8日。現場の「清水寺」は、ブドウ畑などに囲まれていて、須山容疑者の自宅から直線距離で100mほどにあり、実は須山容疑者の父親が住職を務めていました。
娘が乳児を寺に遺棄したとみられていることに、父親が私たちの取材に応じました。
須山容疑者の父親
「いつも大きめの服を着ていたため、妊娠に全く気づかなかった」「逮捕直前まで普段と様子も変わらなかった」
「娘に命の尊さを伝えることができなかった。住職としても、親としてもお詫びしたい」
妊娠していることすら気づかなかったという父親。同じ証言は、須山容疑者が約5年間勤務する市役所からも聞かれました。
甲州市役所大和支所 矢口成彦支所長(19日)
「職員は妊娠に気づいておらず、本人からも妊娠しているという報告は受けていませんでした。勤務態度は問題なかったと認識。(先週)金曜日は通常に出勤していました」
ただ、須山容疑者が乳児を遺棄したとみられる11月には、5日間の欠勤があったということです。
周囲の人々が気づかなかったと話す、須山容疑者の妊娠。捜査関係者への取材で、「職場のトイレで出産し、生まれた時、赤ちゃんは動いていた」という趣旨の供述をしていることが新たにわかりました。
須山容疑者が勤めていた甲州市役所の大和支所は、遺体が発見された清水寺から、約10キロ。職場で産んだ赤ちゃんを寺まで運び、遺棄したのでしょうか。
警察はDNA型鑑定を進めるとともに、動機や詳しい経緯などを調べています。
(2月19日放送『news zero』より)

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