東京都議会の第1回定例会が20日、開会した。小池知事は施政方針演説で、顧客らから理不尽な要求を突きつけられるカスタマーハラスメント(カスハラ)の防止条例を制定する考えを明らかにした。少子化・子育て支援、脱炭素などにも引き続き力を入れるとした。
知事は、都内企業でカスハラが深刻化しているとして、「ルール作りが強く求められている。現場のよりどころになるよう、独自に条例化の検討を進めていく」と述べた。早期の条例案提出を目指すという。
少子化・子育て支援では、卵子凍結の費用助成や高校授業料の実質無償化のほか、教員の負担軽減策にも言及。「安心して子供を産み、育てられる社会に変えなければならない」と訴えた。
また、大田区京浜島の都有地で新年度、水素の大規模製造プラントを稼働させる目標を明らかにした。都によると、水を電気分解させて生みだし、東京ビッグサイトなどで使うという。
能登半島地震を踏まえて携帯トイレの備蓄量を増やすことや、大島空港に高級ラウンジを整備して富裕層の受け入れ拡大を図る方針も示した。一方、7月に任期満了を迎える自身の去就には言及しなかった。
定例会は3月28日まで。予算案など148議案が審議される。代表質問は2月27日、一般質問は28、29日。