特殊詐欺の被害を防いだとして、栃木県警佐野署は28日、JA佐野常盤支店(佐野市仙波町)の支店長、柿沼勝弘さん(52)に感謝状を贈った。柿沼さんが詐欺被害を防ぎ、感謝状を県警から受けるのは3度目だという。
柿沼さんは8日午後2時頃、60歳代の女性が休止中の現金自動預け払い機(ATM)周辺で携帯電話で長い間しゃべっているのを監視モニターで確認。事情を尋ねたところ、この日朝、男が年金事務所やJA本部をかたり、「還付金の受け取りが今日まで」「農協のATMに向かって」などと女性のもとに電話をかけていたことがわかった。柿沼さんは「それは詐欺ですよ」と女性に伝え、落ち着かせてから110番した。
柿沼さんは詐欺を見抜くコツについて、「客との距離感を縮め、普段とは違う行動をしていることに気づくこと」と説明。「疑いを持ったら、焦らず、丁寧でゆっくりな言葉遣いで話しかけるようにしている」と語った。
三森義功署長は「後輩らに声のかけ方や目の付け方などを伝えてほしい」と要望した。