蓮舫氏が「億単位の資金移動」指摘 自民・茂木幹事長に暗雲「ポスト岸田」焦土状態に 後援会組織に使途不明な支出疑惑

自民党の茂木敏充幹事長に、自身の後援会組織に使途の詳細が不明な億単位の支出があったとの疑惑が直撃した。派閥の政治資金パーティー裏金事件では、領袖(りょうしゅう)を務める茂木派(平成研究会)は東京地検特捜部の立件対象にならなかったが、岸田文雄首相が突如表明した〝派閥解消〟のあおりで離脱者が続出した。「ポスト岸田」争いで逆風に直面している。
「茂木氏の資金管理団体から後援会組織に10年間で3億2000万円超を移動していた」「法律の抜け穴を使い、裏金をつくっている」
立憲民主党の蓮舫参院議員は4日の参院予算委員会で、こう批判した。
資金管理団体は、使途公開ルールが厳しい「国会議員関係政治団体」に該当するが、資金が移った後援会組織は「その他の政治団体」で支出の公開基準が緩く、政治資金の流れが事実上チェックできない形になっていたという。
朝日新聞は5日朝刊の1面トップで、「茂木氏側 3・2億円資金移動」「使途公開基準緩い団体に」と報じた。
茂木氏は予算委員会に出席しておらず、まさに「欠席裁判」状態だった。
茂木氏は4日の記者会見で、「政治資金規正法の規定にのっとり、収支を適切に報告している」と反論したが、政治的ダメージは甚大だ。
茂木氏は足元も揺らいでいる。名門派閥「平成研究会」を継承したが、以前から距離のあった小渕優子党選対委員長などが相次いで離脱を表明し、他にも複数の有力議員が退会を検討しているのだ。
さらに、政治倫理審査会の開催をめぐり、「党内調整を放棄した」(党中堅)との批判も巻き起こっている。
ベテラン議員は「茂木氏は9月の自民党総裁選への出馬に強い意欲を示してきたが、派閥の揺らぎ、党内統制力の欠如、資金移動報道も重なり、厳しい」と語った。
岸田内閣の支持率も危機的だが、「ポスト岸田」も失速という「焦土状態」となってきた。

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