《これは一体何のため、誰に向けた会見だったのか》
《まったく反省していないな》
ネット上では怒りや呆れる声が一気に広がった。二階俊博元幹事長(85)が25日、自民党本部で会見を開き、次期衆院選に出馬しない意向を党総裁の岸田文雄首相(66)に伝えたことを明らかにしたからだ。
二階氏は衆院和歌山3区選出の当選13回。和歌山県議会議員などを経て、1983年の衆院選で初当選。自民党、新進党などを経て、再び自民党に復党後、経産相や党総務会長などを歴任。2016年から5年余りにわたり幹事長を務めた。
二階氏を巡っては、自民党派閥の政治資金パーティーの裏金事件で、自身が会長を務める「志師会」からキックバックされた3526万円の裏金を政治資金収支報告書に記載していなかったとして、政治資金規正法違反の罪で秘書が略式起訴、派閥の元会計責任者が在宅起訴されており、二階派は1月に解散を決めている。
「すでに秘書が刑事処分されたが、政治責任は監督責任者である私の責任。自らの政治責任を明らかにすべく、岸田首相に次期衆院選に出馬しないことを伝えました」
■二階氏の会見なのに答えるのは側近の林幹雄党経理局長
会見の冒頭、裏金事件に触れてこう語った二階氏だが、質疑応答になると、答えるのはなぜか側近の林幹雄党経理局長(77)。
記者が政治倫理審査会(政倫審)に出席にしないのかを問うと、林氏が「出席は自分の判断ということで、出席する必要はないと判断した」「二階会長については、つまびらかにしている」「代わりに事務総長が出ている」「いちいち政倫審に出なくても分かっていただける」などと一方的にまくしたて、なぜか隣りの二階氏はダンマリ。
2019年の参院広島選挙区を巡る大規模買収事件で当時、幹事長だった二階氏から「3300万円」のカネが提供されていたメモが見つかったことについての質問についても、二階氏はまったく答えず、「党本部からだ。裏金ではない」などと林氏がピシャリ。
■「馬鹿野郎」とつぶやく声が報道機関のマイクに
そんな二階氏が感情をあらわにしたのが、記者から、次期衆院選の不出馬は裏金事件に伴う「不記載の責任」を取る事なのか、「年齢の問題」なのかを聞かれた時。二階氏は記者を睨みつけ、こう声を張り上げた。
「年齢制限はあるのか。お前もその年が来るんだよ」
この直後、誰かが「馬鹿野郎」とつぶやく声が報道機関のマイクに拾われており、SNS上では《バカヤロー解散ならぬバカヤロー不出馬表明?》《二階氏ブチギレ会見か》といった声が出た。
「別に派閥が悪かったわけでも何でもないんだもん。金をごまかしてるわけでも何でもないんだもん」
派閥解散を決めた際の会見で、駄々をこねる子どものような説明をしていた二階氏。あの態度で果たして「政治責任」をどこまで真剣に考えているのか。