自民党の二階俊博元幹事長(85)=衆院和歌山3区=は25日、党本部で記者会見し、次期衆院選に出馬しない意向を表明した。政治資金パーティー裏金事件で二階派の元会計責任者と自身の秘書が立件されたことを受け、「政治不信を招く要因となったことを深くおわびする。自らの政治責任を明らかにする」と理由を語った。
二階氏は会見で、岸田文雄首相(党総裁)に電話で不出馬を伝えたと明かした。後継については「地元の判断に任せている」と述べるにとどめた。
二階氏を巡っては、政治資金収支報告書への不記載額が二階派は約2億6400万円、自身の政治団体は3526万円に上ることが判明。1月には二階派の解散を決めた。
党内には、二階氏について重い処分が必要との意見がある。二階氏は会見で、処分が不出馬に影響したのか問われ「影響はない。自ら決めた」と否定した。
首相は25日の参院予算委員会で、二階氏から同日朝に連絡を受け「熟慮の上の判断だろうから重く受け止める」と返答したと語った。処分に関しては「これから党の手続きに基づいて党として判断していく」と述べた。
後継に関し、二階氏は世襲を検討しているとされる。自民党の世耕弘成前参院幹事長=和歌山選挙区=もくら替えを視野に入れているが、安倍派の裏金事件で処分が検討されている。
二階氏は1983年に旧和歌山2区で初当選し、当選13回。経済産業相や党総務会長などを歴任し、安倍、菅両政権で党幹事長を歴代最長の5年超務めた。
[時事通信社]