都立高プール事故で都に3億8000万円超賠償命令 教諭の飛び込み指導で当時3年生の生徒が重いけが 東京地裁

2016年に、都立高校の水泳の授業中に教諭から無理な飛び込みの指示を受け、プールの底に頭を打ち付けて重いけがをしたとして、当時3年生だった元男子生徒が東京都に損害賠償を求めた裁判で、東京地裁は3億8000万円あまりの賠償を命じる判決を言い渡しました。
2016年7月、東京・江東区の都立高校で水泳の授業中に、当時3年生だった内川起龍さん(25)は、体育教諭からデッキブラシを越えてプールに飛び込むよう指示され、頭をプールの底に打ち付けて、首の頸髄を損傷し、両手足に重度のまひが残る大けがをしました。
内川さんと家族は「事故は担当教諭による不適切な体育指導が原因で起きた」「18歳の男子高校生が何の落ち度もないまま、突然、夢見ていた将来を奪われた精神的な苦痛は甚大だ」と訴えて、東京都に対し、およそ4億2800万円の損害賠償を求めて裁判を起こしていました。
裁判では都に賠償義務があることは争いがなく、金額が争点となっていましたが、東京地裁はきょうの判決で3億8000万円あまりの賠償を命じました。
判決後、内川さんは「事故からおよそ8年が過ぎ、この間に母が亡くなり、大きな支えを失ってしまいました」とコメント。そのうえで、教諭からは直接の謝罪がなく、「判決が出ても許すことはできません」などとしています。
内川さんに危険な飛び込みの指示をした体育教諭は、その後、業務上過失傷害の罪に問われ、2021年に東京地裁から罰金100万円の判決が言い渡されています。

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