岸田首相は28日夜、物価高対策などを盛り込んだ来年度予算の成立を受け、首相官邸で記者会見を行った。「我々はデフレから完全に脱却する千載一遇の歴史的チャンスを手にしている。数十年に一度の正念場だ」と述べ、物価高を上回る所得増の実現に向け、中小企業の賃上げ支援や生産性向上に全力で取り組む考えを示した。
首相は、高い賃上げ率を記録した春闘に続き、6月以降に所得税・住民税が1人あたり計4万円減税される予定であることに触れ、「官民が連携し、物価高を上回って可処分所得が増えるという状況を確実に作る」と訴えた。日銀との緊密な連携も維持し、「来年以降、物価上昇を上回る賃上げを必ず定着させる」と述べた。