神戸市は1日、市立王子動物園(同市灘区)で飼育していた国内最高齢のジャイアントパンダの雌、タンタン(旦旦)が死んだと発表した。28歳のタンタンは人間で100歳近くに相当するという。心疾患の治療や新型コロナウイルスの影響で中国への返還が延期されていた。
同園によると、3月31日午後10時20分ごろ、タンタンが動いていないことに飼育員が気付き、獣医が蘇生(そせい)措置を施したが、死んだことが確認された。心疾患に起因する衰弱死とみられる。
タンタンは阪神大震災発生後の平成7年9月、中国・四川省で誕生。12年7月に日中共同飼育繁殖研究の一環で王子動物園に来園した。
中国との貸与契約は2度延長され、令和2年7月に返還する予定だったが、新型コロナの影響で輸送の航空便の予定が立たず、3年春には心疾患が判明。病状の安定のため、今年末まで返還期限が延長されていた。
同園の加古裕二郎園長は「震災で傷ついた市民を勇気づけ、神戸の復興も見届けてくれた」と悼んだ。同園は2日からパンダ館内に献花台を設置する予定。