旧優生保護法 京都新聞が請求した情報の8割開示命じる判決 滋賀県の公文書公開めぐる裁判で 大阪高裁

旧優生保護法をめぐる公文書の情報公開請求に対して、滋賀県が大半を「非公開」としたのは不当だとして京都新聞の記者が県に開示を求めた裁判の控訴審で、大阪高裁は1審判決をほぼ維持し、請求された情報の8割ほどを開示するよう命じました。
判決文などによりますと、京都新聞社は2017年、旧優生保護法のもとで実施された強制不妊手術の実態がわかる文書を公開するよう滋賀県に請求しましたが、「個人が特定される恐れがある」としてほとんどが開示されませんでした。
そのため京都新聞社は2020年、県の第三者機関が「公開が妥当」と判断した情報の開示を求め、訴えを起こしていました。
1審で大津地裁は、手術対象者の職業や遺伝情報などの開示は認められないとした一方、年齢や生活状況、発病の経過などについては「個人を識別する情報にあたらない」として開示を命じ、京都新聞社と滋賀県の双方が控訴していました。
9日の控訴審判決で大阪高裁は、原告が請求した情報の8割ほどを開示するよう命じた1審判決を大部分で維持した上で、田畑の面積については個人の特定につながるとして非公開としました。
判決を受けて京都新聞の記者は「全国の強制不妊手術の実態解明と再発防止、被害救済の3つの点で大きく前進した判決と受け止めている」と話しました。
一方、滋賀県は「県の主張が認められなかった部分について、判決文を精査のうえ、対応を検討していきたい」とコメントしています。

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