岸田首相の〝懐刀〟森山裕総務会長が激白「解散はそう遠くない」 有馬晴海氏「強い危機感から党内の一致団結を求める意図」

自民党の森山裕総務会長は12日、鹿児島県内での会合であいさつし、衆院解散・総選挙について「そう遠くない時に可能性がある」と語った。森山氏といえば、岸田文雄首相の信頼が厚く、「次期幹事長」という見方もある党重鎮である。岸田内閣の支持率は依然として30%以下の「危険水域」ながらも、一部で回復傾向も見られる。岸田首相は9月の自民党総裁選前に〝大勝負〟を決断するのか。

森山氏は、地元・鹿児島県内での会合で、注目される衆院解散の時期について冒頭のように語ったうえで、「いつ解散があるか正直分からない」「岸田首相にしか分からない」と続けた。
岸田首相は「政治とカネ」の問題への対応などで、国民の支持を失うばかりか、党内の〝求心力〟も失いつつある。衆院3補選(4月28日投開票)では自民党は不戦敗を含めて全敗し、地方組織からは「岸田首相の『顔』で選挙は戦えない」との厳しい声も上がっている。
こうしたなかでの、森山発言をどう見るか。
政治評論家の有馬晴海氏は「森山氏は昔かたぎで責任感が強く、岸田首相だけでなく党内での信頼は厚い。今回の発言は、岸田首相がさらに求心力を失えば『自民党が崩壊しかねない』との強い危機感から、党内の引き締めを図り、『一致団結』を求める意図があるのではないか」と語った。
確かに、派閥裏金事件では、清和政策研究会(安倍派)や志帥会(二階派)は〝厳罰〟となった。一方、岸田首相は責任を取らず、党内に不満が渦巻いている。
有馬氏は「次期衆院選で、自民・公明両党は大苦戦が予想されている。衆院解散は、よほど局面が変わり、勝算がないと自民党内でも『やらない方向性』が既定路線だ」と語る。
ただ、TBS系のJNNが5日公表した世論調査では、岸田内閣の「支持」が29・8%と7ポイントも上昇した。岸田首相が最近、「改革姿勢」のアピールに必死になっているのも、気になるところだ。
ある自民党議員は「党内では、暴走しかねない岸田首相を、森山氏が『羽交い締め』にする役割を期待する雰囲気もある。岸田首相が戦略もなく解散・総選挙に打って出れば、再び『下野』する悪夢が現実になりかねない」と本音を吐露している。

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