自治体職員などに対する威圧的言動が問題となっている自民党の長谷川岳参院議員(北海道選挙区)を巡り、北海道は28日、令和元年度から5年度までの5年間に同氏との面会を伴う道幹部職員の出張回数が延べ1488回、出張旅費は1億2388万円に上っていたと発表した。道はこれらの出張は「必要に応じて適切に判断しており問題ない」としている。
調査は道内選出の国会議員との面談などにかかる職員の出張について、知事部局の課長級以上を対象に実施。その結果、全体では5年度までの5年間の出張回数が延べ2165回、出張旅費は1億7820億円に上ったことが分かった。このうち長谷川氏を含む複数の国会議員と面談した出張は1488回で旅費は1億2388万円。さらに長谷川氏との面談のみの出張は276回、2031万円だった。
議員別の単独面談回数をみると、長谷川氏は5年度118回、4年度57回に対し、他の議員は両年度ともに一桁台で長谷川氏が突出していた。道はその理由について「G7札幌気候・エネルギー・環境相会合に関する打合せ、金融・資産運等特区制度の創設などへの対応が多かったため」と説明し、いずれも適正な対応だったと強調した。
道は今回の調査結果を踏まえ、庁内外からのハラスメント事案に対するガイドラインを速やかに作成するほか、庁内に設置している相談窓口の利用を職員に呼びかけていく方針だ。
(坂本隆浩)