旧優生保護法のもと、強制的に不妊手術を受けさせられた人たちが国に賠償を求めている裁判で、最高裁大法廷では29日に弁論が開かれ、札幌市の82歳の男性が長年苦しんできた思いを語りました。
この裁判は、1996年まで残っていた旧優生保護法のもと、障害などを理由に強制的に不妊手術を受けさせられた人たちが、全国各地で国に賠償を求めています。
最高裁大法廷では29日に弁論が開かれ、札幌や東京など5件の裁判の原告の意見陳述などが行われました。
19歳の時に不妊手術を強制され、精神的な苦痛をうけたとして訴えを起こした札幌市の小島喜久夫さんは、意見陳述を終え、いまの思いを語りました。
(小島喜久夫さん)「本当に国が悪いので、私たちは6年間一生懸命頑張ってきた。裁判官は私の思いを絶対に聞き入れてくれると思う」
この裁判は、旧優生保護法が違憲かどうかや、賠償の請求権が手術から20年経つと消滅する「除斥期間」を適用するかどうかが争点になっていて、最高裁はことしの夏にも統一判断を示す見通しです。