覚醒剤を練り込んだボタン1万2000個をズボンに縫い付けて密輸したなどとして、愛知県警薬物銃器対策課などは6日、イラン国籍の横浜市港北区、自称自営業の男(57)を覚醒剤取締法違反(営利目的輸入)と関税法違反(輸入未遂)の疑いで再逮捕した。覚醒剤をボタンに加工して密輸する手口は全国的にも珍しいといい、愛知県警は外国人の密売グループが関与しているとみて調べている。
発表によると、男は2月29日、仲間と共謀し、覚醒剤を練り込んだボタン付きのズボンが入った小包9個を国際郵便でアラブ首長国連邦から発送し、3月9日、営利目的で日本に密輸するなどした疑い。
捜査関係者によると、ボタンの直径は約2センチで、覚醒剤と樹脂を混ぜて作ったとみられる。ズボンは計1002着で、1着あたり10~12個付いていた。名古屋税関が押収して分析したところ、覚醒剤の成分が検出されたという。
小包の受け取り先に指定されていたのは、日本人が経営する愛知県豊橋市内の洋服店。この店にズボンを受け取りに来た別の日本人が男と知り合いだったという。密輸したボタンから覚醒剤の成分を取り出し、密売する計画だった可能性が高いという。愛知県警は、男が今回の密輸を主導したとみている。
男は5月18日、麻薬特例法違反(規制薬物としての所持)容疑で愛知県警に逮捕されていた。