18年にわたり23人養育、ジャガイモ栽培など自然の中で心通わせる…福島・いわきの里親夫婦に感謝状

里親として18年にわたり、子どもの養育に努めた福島県いわき市の夫婦に、内閣府特命担当大臣の感謝状が贈られた。これまで23人の子どもを受け入れた夫婦は「これからも、できる限り預かりたい」と話している。
感謝状を受けたのは、野木宏高さん(69)、雪江さん(63)。10年以上養育した経験を有する人の中から選ばれた。
2人は1986年に結婚後、9年間子どもを授からなかった。その後、2人の男の子が誕生したが、子どもがいない頃に感じていた「家庭に恵まれない子どもを育てたい」という思いから、2006年から里親を始めた。
23人の里子の受け入れ期間はそれぞれで、最も長い子は約16年にわたった。虐待された子ども、思春期を迎えた子ども、笑わない子ども……。そんな里子たちに対し、当時、会社員と農業を兼業していた野木さんは、一緒にジャガイモを植えるなどし、自然の中で心を通わせた。
雪江さんは「近所や病院、学校などの協力があったおかげで里親を続けられた。周囲に感謝している」と振り返る。2人の子どもも、里子にミルクをあげたり、外に連れて行ってくれたりと、自分のきょうだいのように、受け入れてくれたという。
12日に県庁で行われた伝達式で、野木さんは「素直な社会人になって活躍してほしい」と里子たちへの願いを語った。雪江さんは「苦労もあったが、預かった子から『ありがとう』と言われると、やっていてよかったと思う。私たちも年だが、できる限り世話していきたい」と笑顔を見せた。

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