兵庫県知事のパワハラ疑惑、内部告発し百条委員会へ出頭予定の県職員が死亡…百条委側へ事前に「プライバシー配慮」要請

兵庫県の斎藤元彦知事がパワハラなどの疑惑を内部告発された問題で、内部告発した後、停職の懲戒処分を受けた前県西播磨県民局長の男性職員(60)が死亡したことが県関係者らへの取材でわかった。遺書が見つかっており、自殺とみられる。男性職員は今月19日、疑惑の真偽を調べる県議会調査特別委員会(百条委員会)に証人として出頭する予定だった。
県関係者らによると、男性職員は7日午前、百条委での証言に先立ち、内部告発の文書を県議会事務局にメールで送信。その後、行方がわからなくなり、親族が県警に届け出たが、同日夜、同県姫路市内で亡くなっているのが見つかったという。
男性職員は3月、机をたたいて職員に激怒したパワハラ行為など、斎藤知事に関する7件の疑惑を記した文書を一部県議や報道機関に配布。県は5月、「核心的な部分が事実でない」とする内部調査の結果を公表し、男性職員を停職3か月の懲戒処分とした。
しかし、内部調査に協力した弁護士が、文書で知事のパーティー券購入に関与したと指摘された団体の顧問弁護士だったことが判明。県議会は6月、再調査が必要だとして、関係者の出頭・証言を命じる強い調査権限を持つ百条委を設置した。
県関係者らによると、男性職員は証言には前向きだったが、公用パソコンで作成した私的な文書などの提出を百条委に求められる可能性が強まり、百条委側に「プライバシーに配慮してほしい」と要請していたという。
斎藤知事は8日、県庁で記者団に対し、「色んな仕事を一緒にさせていただいたので大変残念だ」と述べ、「今の状況を招いていることを県民におわび申し上げる」と陳謝した。
百条委委員長の奥谷謙一県議は「痛恨の極みだ。百条委が設置されてから大きな重圧がかかっていたかもしれない」と語り、「今後も最大限努力して真相解明にあたる」と話した。

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