「中学生に働かせるな」ゴミ出しボランティアに異論 高齢者宅向けで募集、募集団体に意義を聞いた

高齢者宅のゴミ出しを中学生にボランティアでやってもらう地域の取り組みについて、お金を出さずに働かせるのかなどとX上で批判的な声が上がり、議論が起きている。
ゴミ出しは、シルバー人材センターなどに頼めばいいのではないか、といった意見も多い。中学生ボランティアの意義について、募集した埼玉県の鶴ヶ島市社会福祉協議会に話を聞いた。
「シルバー人材センターから雇えばいいのに」との声もあったが…
登校途中の男子生徒が朝、高齢者宅に勝手口から入り、ゴミ箱からゴミの袋を取り出す。門から出ると、一礼して足早にゴミ置き場へ向かって行った。
これは、鶴ヶ島市社協のサイトに載った「中学生ゴミ出しボランティア」の動画のシーンだ。
サイトによると、社協では、2019年9月からこのボランティアをスタートさせた。ゴミ置き場まで持っていけない高齢者や障害者を対象に、社協が近くの中学生に依頼する。ボランティア活動保険に加入してもらったうえで、中学生は、高齢者宅などのゴミ出しを行う。この活動をした中学生には、「ボランティア証明書」を発行している。
こうした取り組みに対し、お金を出さずに働かせるのは違和感があるとX上で24年7月9日に投稿があり、大きな話題になった。
様々な意見が寄せられており、否定的な声としては、「子供を労働力として使うな」「ゴミ出し出来ない高齢者の世話は福祉の仕事」「シルバー人材センターから雇えばいいのに」といった書き込みがあった。
鶴ヶ島市では、介護保険で要支援や要介護に認定を受けるなどした高齢者らを対象に、週1回無料で行う「高齢者等ごみ戸別収集サービス」を導入している。X上では、このサービスを使えばいいのではないかとの指摘もあった。
もっとも、「社会に関わることは意義のある取り組みだ」「内申点稼ぎになるし、生徒も得する」「小中学生も受験用に利用してる」とみる向きもあった。
市のサービスもある中で、なぜ中学生ゴミ出しボランティアの活動を始めたのだろうか。
「自分のやりがいや存在意義を確かめてもらう福祉教育の一環」
この点について、鶴ヶ島市社会福祉協議会の事務局長は7月11日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように説明した。
活動した中学生に出すボランティア証明書は、何に使うために出すかについては、こう話した。
お金を出さずに働かせるなといった批判があることについては、こう反論した。
活動では、これまでに高齢者ら約20人に対し、中学生ら延べ約50人がゴミ出しボランティアをしてきたという。中学生がメインで、一部に小学生や高校生もいるとした。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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