鹿児島県警の不祥事をめぐる問題で、捜査情報を漏らした罪に問われている元巡査長の男の裁判で、検察は懲役1年を求刑しました。元巡査長は、犯行の動機について「事件をめぐり警察の捜査に疑問を感じ情報を漏らした」などと述べました。
11日、鹿児島地裁で開かれた初公判。地方公務員法の守秘義務違反の罪に問われている県警の元巡査長・藤井光樹被告(49)です。上下黒のスーツに黒のネクタイを締め裁判所に入りました。
起訴状などによりますと藤井被告は96の事件・304人分の個人情報を福岡のウェブメディアの記者に漏らしたとされています。11日の初公判で証言台に立った藤井被告は、まっすぐ前をみつめ「間違いありません」と起訴内容を認めました。
検察は、「県警が捜査していた強制性交事件の被害関係者と、福岡市のウェブメディアの記者から捜査情報などを求められ、漏らした。その後、別の情報をもらった」と指摘。藤井被告に懲役1年を求刑しました。
一方、藤井被告は犯行の動機について「強制性交事件での、警察の捜査に疑問を感じ情報を漏らした」「記者から新たな情報をもらい県警での評価を高めたかった」と述べました。
弁護側は「懲戒免職となるなど社会的制裁を受けている」などとし執行猶予付きの判決を求めました。
閉廷後、藤井被告は傍聴席に向かって無言で10秒ほど深々と頭を下げました。
11日の裁判の後、藤井被告は取材に応じ関係者へ謝罪しました。
(藤井光樹被告)「裁判の中で自分の考えを申し上げることができましたが、今回私が起こしてしまった身勝手な犯行で関係者の方々に多大な迷惑をかけている」
判決は来月5日に言い渡されます。