福岡・柳川ヘリ墜落、機体が空中分解か…200m離れ三つに分割された状態

福岡県柳川市の農地にヘリコプターが墜落して2人が死亡した事故で、国の運輸安全委員会の航空事故調査官は29日、機体は本体と「テールローター」(後部回転翼)、本体と尾翼をつなぐ「テールブーム」の三つに分割された状態で見つかったことを明らかにした。調査官は何らかの原因で機体が上空でバラバラになった可能性があるとみている。
現場を調べた後、報道陣の取材に応じた西川直宏調査官によると、操縦席などがある本体から約200メートル離れた場所にテールローター、その間にテールブームが落ちていた。本体は損傷が激しく、原形をとどめないほど焼けていたが、他の二つの部分は焼けていなかった。
一方、ヘリは事故直前まで行っていた無線交信で異常を報告していなかったことが国土交通省などへの取材でわかった。
ヘリを運航する「エス・ジー・シー佐賀航空」(佐賀市)によると、搭乗していたのはともに同社社員の男性操縦士(50)と男性整備士(70)。ヘリは、大分県日田市から佐賀市の佐賀空港に戻る途中で、操縦士から28日午後4時8分に無線で到着予定時刻は同4時15分と連絡があった。
佐賀空港の管制塔とも無線交信を行っており、同4時11分に位置を通報していたが、異常の報告はなかった。福岡県警によると、事故の目撃者から110番があったのは同4時12分で、最後の交信の直後に墜落したとみられる。

県警柳川署によると、死亡した2人は司法解剖の結果、頭蓋骨骨折や心臓破裂などが死因と判明した。即死とみられるという。

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