広島市中区の平和記念公園にある韓国人原爆犠牲者慰霊碑前で5日、慰霊祭が営まれた。在日韓国人や被爆者ら約250人が参列。チマ・チョゴリ姿の女性が慰霊の歌をささげた。
在日本大韓民国民団広島県地方本部が主催し、今年で55回目。この1年で新たに亡くなった4人の被爆者を加えた計2814人の死没者名簿を奉納した。
国外で暮らす韓国人らを支援する韓国政府の「在外同胞庁」のトップに7月に就任した李相徳(イ・サンドク)氏も出席。「二度と原爆という惨事が繰り返されないよう、人類の共同繁栄と世界平和の増進に最善を尽くす」と追悼の辞を読み上げた。10歳の時、広島市西区で被爆した朴貞順さん(89)は「原爆の被害も、その後の生活も大変だった。多くの人と追悼できてよかった」と話した。
広島・長崎両市が1979年に編集した「広島・長崎の原爆災害」によると、米軍の原爆投下によって日本の植民地だった朝鮮半島出身者約3万人が広島で被爆したとされる。【安徳祐、武市智菜実】