「思い残すことない」戸倉三郎最高裁長官が退官前に会見 旧優生保護法の国賠訴訟など対応

最高裁の戸倉三郎長官(69)が定年退官を前に7日、記者会見し、「重い仕事を終えるにあたり、ほっとしている。責任感をもって全力を尽くしてきたので思い残すことはない」と話した。
印象に残る在任中の出来事として挙げたのは、旧優生保護法下での障害者らへの不妊手術を巡る国家賠償請求訴訟。この訴訟で最高裁は障害のある傍聴人向けに公費で初めて手話通訳者を配置するなどの対応を取った。
戸倉氏は「多数の裁判所職員が力を合わせ、きめ細かい配慮を行った。改めて裁判はチームプレーだということを実感した」と振り返った。
社会の価値観が多様化するなか、最高裁でも性的少数者を巡る司法判断が相次いだ。戸倉氏は「価値観の変化や多様性を、どう社会が受け入れていくかという問題。裁判所の判断だけで解決するという考えは持っていない」と述べた。
退官後については「全国で保存されている古い鉄道車両を見に行きたい」とした。
戸倉氏は令和4年6月に最高裁長官に就任。今月10日に退官する。

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