台風5号が三連休やお盆期間に日本接近か 西寄りに進むと影響大きくなるおそれ

8月9日(金)6時現在、台風5号(マリア)は日本の東の海上を北北東に進んでいます。勢力を強めて暴風域を伴うようになりました。進路の不確実性が大きいものの、三連休明けにかけて北日本に接近する可能性があり、注意が必要です。▼台風5号 8月9日(金)6時 中心位置 日本の東 大きさ階級 // 強さ階級 // 移動 北北東 20 km/h 中心気圧 980 hPa 最大風速 30 m/s (中心付近) 最大瞬間風速 40 m/s
12日(月)以降は進路の不確実性が大きい
台風は11日(日)にかけては発達しながら関東の東の海上を北上する見込みです。三連休最終日の12日(月)以降は進路の不確実性が大きくなり、台風進路図の予報円が大きくなっています。北海道の東側へ向かう可能性から、西寄りの進路を進んだ場合は関東など東日本方面に向かう可能性もゼロではありません。予報の中心を進んだ場合は東北や北海道にかなり近づいて、雨や風など直接的な影響が大きくなるおそれがあります。また、台風が北日本方面へ進んだとしても、関東でも太平洋沿岸では波が高くなるため、三連休を中心に海のレジャーの際は離岸流などに十分注意が必要です。*破線で囲まれた「予報円」は、その時刻に台風・熱帯低気圧の中心が入る確率が70%の範囲を示しています。予報円が大きいことは、台風の強さや大きさを表すのではなく、不確実性(誤差)が大きいことを示しています。
高気圧が台風の進路を左右
台風5号の進路に大きな影響があるのは、日本のはるか東に中心をもつ太平洋高気圧です。台風は主に上空の風によって移動します。代表的なのが強い西寄りの風であるジェット気流ですが、現在は日本列島の北を流れているため、台風5号の動きには関与しません。今回は高気圧の縁を吹く南寄りの風によって北上する見通しです。太平洋高気圧の勢力が進路を大きく左右し、高気圧の勢力が強まった場合は台風が西寄りの進路を進み、東北や関東などに近づくことになります。
参考 世界各国の気象機関が計算した進路の数値シミュレーション結果
この図の細い線1本1本は世界各国の気象機関が計算した数値シミュレーションの結果をあらわします。アンサンブル予報という手法の過程で得られるもの(メンバー)で、想定される進路にかなりの幅があることをイメージするために掲載しています。これらのメンバーを比較すると、日本の東に北上する傾向は概ね揃っているものの、その先は進路のシミュレーションの結果にかなりばらつきがあるのがわかります。北海道の東を通る予測もあれば、関東や西日本方面に向かう予測まであり、影響も大きく変わってきます。西寄りの進路となった場合には三連休の頃に北日本や東日本でも風雨の影響が出る可能性があるため、予報の変化に注視が必要です。日が経つにつれて誤差は縮小していく見込みですので、今後の情報にご注意ください。
台風の暴風域に入る確率
5日先までに台風の暴風域に入る確率がが5%以上の府県予報区は以下の通りです。(気象庁) 上川地方 5 % 十勝地方 6 % 胆振地方 8 % 日高地方 8 % 石狩地方 6 % 空知地方 5 % 後志地方 8 % 渡島地方 15 % 檜山地方 10 % 青森県 22 % 岩手県 28 % 宮城県 28 % 秋田県 25 % 山形県 23 % 福島県 19 % 茨城県 12 % 栃木県 11 % 群馬県 7 % 千葉県 6 % 新潟県 14 %
台風の発生は半月ぶり 今月1つめ
平年の台風発生数
台風の発生は7月21日に発生した台風4号以来でおよそ半月ぶりです。今月に入ってから1つめの台風発生です。台風発生数の平年値を見ると、8月の台風発生数の平年値は5.7個で、一年の中でも最も台風の発生が多くなる時期です。今年も日本の南で複数の台風が発生する可能性があります。秋にかけての本格的な台風シーズンとなりますので、台風対策・大雨対策等を整えておくようにしてください。
台風の名前
台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。台風5号の名前「マリア(Maria)」は米国が提案した名称で、マリアナ諸島のチャモロ語の女性の名前からとられています。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする