台風5号 東北沿岸は今夜から雨が強まる 大雨災害に厳重警戒

8月11日(日)15時現在、台風5号(マリア)は宮城県石巻市の東南東の海上を、北西に進んでいます。台風は大きな雲の渦を形成していて、最も外側の雲は東北の太平洋沿岸にかかり始めました。▼台風5号 8月11日(日) 15時 中心位置 石巻市の東南東約240km 大きさ階級 // 強さ階級 // 移動 北西 10 km/h 中心気圧 980 hPa 最大風速 25 m/s (中心付近) 最大瞬間風速 35 m/s
明日午前に岩手県~宮城県に上陸見込み
台風は勢力を強めつつある太平洋高気圧の縁に沿って北西に進み、明日12日(月)の午前中に岩手県~宮城県に上陸する見込みです。過去に東北地方太平洋側に上陸した台風は、1951年の統計開始以来、2016年10号(岩手県大船渡市付近)と2021年8号(宮城県石巻市付近)しかなく、今回、上陸すれば3回目です。*破線で囲まれた「予報円」は、その時刻に台風・熱帯低気圧の中心が入る確率が70%の範囲を示しています。予報円が大きいことは、台風の強さや大きさを表すのではなく、不確実性(誤差)が大きいことを示しています。
8月1か月分を超えるような大雨に
東北太平洋側はすでに雨が降り出し、一部では1時間に10mm以上のやや強い雨になっています。今夜以降はさらに雨が強まり、台風が接近、上陸する明日12日(月)にかけて断続的に雨が降る見込みです。特に東寄りの風が北上高地に吹き付けることで雨雲が発達する岩手県沿岸部で雨量が多く、48時間で200~300mmの大雨が予想されます。これは8月1か月分の雨量を上回る水準で、観測史上1位に匹敵する所もあります。線状降水帯が形成された場合はさらに雨量が増加してもおかしくありません。土砂災害や河川の増水や氾濫などの危険性が高まるため、避難や雨への備えは本格的に雨が強まる前に済ませてください。7月下旬に水害があった山形県や秋田県も、明日12日(月)は雨が強まるおそれがあるため、新たな災害の発生に警戒が必要です。
沿岸部は東から吹き付ける風に警戒
台風5号は広い強風域をもっていて、すでにその一部が東北の太平洋沿岸にかかり始めています。14時30分までの最大瞬間風速は岩手県花巻市で18.5m/s、宮城県石巻市で17.6m/sを観測しました。15時00分時点で岩手県、宮城県、福島県には暴風警報と波浪警報が出ています。今夜には沿岸部で平均風速が20m/s以上の強風となり、台風が接近、上陸する明日12日(月)の朝にかけては瞬間的に30m/sを超えるような暴風となるおそれがあります。雨に加えて、風への備えも欠かせません。また、海上は波が高く、東北の太平洋側は大しけとなります。船舶や漁業関連施設への影響が懸念される状況です。台風の進路から離れている関東や北海道の太平洋沿岸でも波やうねりが高くなりますので、晴れていても海のレジャーは控えた方が安全です。
台風の名前
台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。台風5号の名前「マリア(Maria)」は米国が提案した名称で、マリアナ諸島のチャモロ語の女性の名前からとられています。
出典・参考気象衛星画像:NICT 情報通信研究機構

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