小田原市は30日、病院患者の細菌検査で病原菌が検出されたにもかかわらず、病原菌ではない常在菌に検査報告を改ざんしたとして、小田原市立病院臨床検査科の男性主任臨床検査技師(37)を停職3カ月の懲戒処分とした。男性技師は同日付で自主退職した。
市によると、男性技師は2月の検体検査で入院患者の尿から尿路感染症の病原菌を検出。病原菌が検出された場合は菌を培養し、治療効果のある薬剤を調べる試験を行うが、菌の培養に失敗したため、薬剤試験の必要がない常在菌に検査報告を書き換えた。
その後、別の技師によるダブルチェックで書き換えが発覚し、患者の治療などに影響はなかった。男性技師は市の調査に「ほかの業務の処理をしたかった」と説明したという。
男性技師は昨年3月の細菌検査でも実際に検出された病原菌の名前を別の病原菌に書き換えていた。