なりふり構わず勝ちを取りにいくつもりか。
自民党総裁選(9月12日告示、27日投開票)に向けて小泉進次郎元環境相(43)が30日に記者会見を開き、立候補を正式表明する見込みだ。本人は23日、能登半島地震の被災地を視察。報道陣に総裁選への対応を問われたが「一つ一つお答えする段階にはまだない」と、具体的なコメントはナシ。しかし、相当みなぎっているのは間違いない。
有力候補と目される石破茂元幹事長(67)はきょう、河野太郎デジタル相(61)は26日に出馬表明する予定。進次郎のタイミングが少し遅い理由のひとつは「知名度バツグンで急ぐ必要がない」(官邸事情通)。
もうひとつは「ライバルの出馬会見を先に見られる」(同前)ということ。どうも、進次郎は他候補の会見を気にしているようだ。特に、いち早く表明した「コバホーク」こと小林鷹之前経済安保相(49)への対抗心もみなぎっているという。
「小林さんの出馬会見は総花的で迫力不足。党内の評価は『中身が薄い』『面白みに欠ける』と散々でした。進次郎さんに近い議員が『小林の会見は最悪だったな』と水を向けると、進次郎さんは『やはりそう思いますか』『あなたがそう言うなら間違いないね』と“激しく同意”状態だった。『自分ならもっと深い爪痕を残せる』と、会見に向けて気合十分のようです」(永田町関係者)
進次郎政権が発足なら茂木を重要ポストで処遇か
さらに、策も弄しているようだ。ポイントは、進次郎をバックアップする菅義偉前首相(75)と、総裁選出馬を模索する茂木敏充幹事長(68)による20日の会食である。14日に麻生太郎副総裁(83)との会食後に報道陣の前に姿を現した茂木は、総裁選の支援要請を袖にされたからか“顔面蒼白”。この時とは打って変わり、菅との会食後は「いい話ができた」と、表情は妙に晴れやかだった。
「いい話」の中身について、前出の永田町関係者はこう解説する。
「進次郎さんの後ろ盾である菅さんと茂木さんの間で、密約が交わされたともっぱらだ。『次の首相』を聞く世論調査で支持率1%の茂木さんは今回、出馬できたとしてもまず勝ち目はないでしょう。また、候補乱立で国会議員票の比重が大きい決選投票にもつれ込むのも、ほぼ確実。進次郎さんと別の候補による対決となるのは間違いない。そうなった時に、茂木さんを支持する議員票を進次郎陣営に上乗せさせる。結果、進次郎政権が発足した暁には茂木さんを重要ポストで処遇するとの条件で握ったそうです」
党則で、党役員任期は「1期1年、連続3期まで」と定められており、現在、幹事長3期目の茂木は次期政権で続投はできない。そのため「副総裁や別の重要閣僚ポストが用意される可能性がある」(同前)という。
「刷新感」「改革」と美辞麗句が飛び交っているが、舞台裏では相変わらずの政治闘争。進次郎の背後には菅だけでなく、森元首相の影もチラつく。結局、43歳の若造が総理総裁になっても、古だぬきが跋扈する自民党政治は何も変わらない。