台風10号の進路を決める3つの要素 上陸エリアはまだ定まらず

台風10号(サンサン)は来週、日本列島を直撃する可能性が高くなっています。今後の進路を決める大きく3つの要素(寒冷渦、高気圧、気圧の谷)があり、その影響度合いによってどの辺りに上陸するかが決まる見通しです。
寒冷渦と高気圧の影響で西寄りに
現在、北に進んでいる台風10号は、明日25日(日)以降、少し西寄りに進路が変化する予想となっています。これには大きく2つの要因が関わっています。「寒冷渦」と「太平洋高気圧」です。上空9,700m付近の気圧配置を見ると、台風に伴う渦のすぐ西側に、もう一つの反時計回りの渦があることがわかります。「寒冷渦」と呼ばれる上空に寒気を伴った低気圧です。2つの渦が接近することで相互に影響し、より大きな渦である寒冷渦の周囲を台風10号が進むような形で、北西に進路を変えるとみられます。また、本州の東の海上に高気圧の中心があり、これが日本付近へ張り出すことによって、台風の北への動きを阻害します。高気圧の勢力次第で、どこまで西に進むかが決まってくる見通しです。
上陸エリアは気圧の谷の動向で決まる
日本に近づく27日(火)頃からは一転して北東に進路を変える予想です。これにはもう一つの要因、上空の気圧の谷(トラフ)が大きく関わります。27日(火)以降は大陸から深い気圧の谷が進んでくる見通しです。これによって上空を吹く強い西寄りの風、ジェット気流が南下し、台風がこれに乗ると東寄りに進路を変えながら、北上のスピードが上がることになります。気圧の谷が近づくタイミングやその深さにより、台風が北東に進路を変えるタイミングが変わり、上陸位置が変化します。気圧の谷の予測に関して、現時点では不確実性が大きく、上陸エリアが定まらない状況です。依然として西日本から関東の広範囲に上陸リスクがありますので、どこに来ても大丈夫なように、事前の準備をしっかり行ってください。

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