25日投開票の大阪府箕面市長選で、地域政党・大阪維新の会公認の現職、上島一彦氏(66)が、無所属新人の前自民党府議、原田亮氏(38)に敗れた。維新公認の現職首長が敗れるのは、2010年の結党以来初めて。維新は今年、府内の選挙で苦戦するケースが目立っている。
選挙戦は、上島氏と原田氏に共産党推薦の無所属新人を含めた3人で争われた。
維新は吉村洋文代表(大阪府知事)が告示後に2度、応援入り。北大阪急行電鉄の箕面市内への延伸開業(3月)など現職の実績を強調して支持を訴えたが、水面下で自民や公明党などの支援を受け、若さをアピールした原田氏に及ばなかった。
維新は10年4月に橋下徹府知事(当時)が旗揚げし、翌11年の統一地方選では府議選で過半数を獲得するなど圧勝。その後も府内の選挙で勝利を重ね、着実に勢力を伸ばしてきた。党ホームページによると、府内43市町村のうち、25日時点で21市町を維新の首長が占めている。
しかし、今年は4月の大東市長選で維新公認の新人が無所属新人に敗北。6月告示の河内長野市長選は候補を擁立できず、7月の府議補欠選挙(河内長野市選挙区)でも公認の新人が敗れた。
維新関係者によると、25年大阪・関西万博の会場建設費の上振れなどに加え、箕面市長選では、国政政党の日本維新の会が21年の兵庫県知事選で推薦した斎藤元彦知事がパワハラなどの疑惑を内部告発された問題について、有権者から批判を受けたという。維新関係者は「次期衆院選に向けて嫌な流れだ」と話した。