公職選挙法違反の疑いで強制捜査を受けていた堀井学衆議院議員が、議員を辞職する意向を表明しました。
「私の遵法精神の欠如が原因であります」
「次の衆院選への不出馬宣言だけでは不十分であるとの結論に達し、本日ここに議員辞職することを決意いたしました」
胆振と日高の北海道9区が地元の堀井学衆議院議員。
28日、文書で議員辞職の意向を表明しました。
苫小牧市民
「問題外だよね あの人は」「遅いぐらいだよ」
「当たり前のことだと思います、辞めて当然」
2012年の衆院選で初当選した堀井議員。当選回数は4回で、2023年9月には内閣府副大臣に就任するなど、政治家としてのキャリアを順調に積んでいるようにみえていました。
しかし…
■堀井学衆院議員
「5年の不記載となっていた総合計は2196万円となります」
自民党安倍派の政治資金パーティーを巡る裏金問題。堀井議員にも2000万円を超える不記載が発覚したことで状況は一転。そのうえ、地元の支援者からはSNSの発信を中心とした活動が「地元を軽視している」という批判の声も高まりました。こうした事態を受け、6月に次の衆院選に出馬しない意向を表明。
その直後…
■大原記者
「東京地検特捜部の係官らが堀井議員の事務所に入りました」
地元の有権者に対し、自分の名前を書いた香典を秘書らに持参させた疑いが浮上。東京地検特捜部が事務所などの強制捜査に入り、堀井議員は自民党を離党しました。6月下旬以降、公の場に姿を見せていない堀井議員。関係者によりますと「都内のサウナ巡りをしている」ということで、自民党道連の幹部からは「早期の議員辞職」を促されていました。
過去に北海道9区から衆院選への出馬経験がある苫小牧市の岩倉博文市長。28日、病気からおよそ2か月ぶりの公務復帰となる記者会見で堀井議員に苦言を呈しました。
■岩倉市長
「ひとつのけじめをつけざるを得ない」
「彼の立場・行動の選択肢として、ああいう方向(辞職)しかなかったのではないですかね」
議席の行方は、どうなるのでしょうか。
前回3年前の衆院選で比例復活した堀井議員。議員辞職により、比例名簿の他の落選者が繰り上げで当選となります。落選者の惜敗率は、1区の船橋利実氏、8区の前田一男氏、2区の高橋祐介氏の順となりますが、参院議員に転身した船橋氏は、HTBの取材に「現在の職務を全うする」とコメント。北海道議会議員に転身した前田氏も辞退する意向を周囲に示していて、新人の高橋氏が繰り上げ当選となる見通しです。
「裏金」と「香典」に追い込まれる形となった堀井議員。
東京地検は公選法違反と政治資金規正法違反の疑いで、堀井議員を立件できるか捜査を進めているとみられています。