岸田首相の後継を選ぶ自民党総裁選は12日に告示され、15日間の選挙戦がスタートする。上川陽子外相(71)が11日に立候補を表明し、総裁選の出馬表明は9人目となった。立候補に推薦人が必要となった1972年以降、最多だった5人を大幅に上回る構図が固まった。27日に投開票される。
上川氏の総裁選出馬は初めてで、今回の総裁選で女性の立候補表明は2人目となる。上川氏は東京都内で開いた記者会見で、「難問から逃げず、国民と新たな日本を築いていきたい」と意気込みを語った。実質賃金の増加や「貯蓄から投資」を促進し、「所得再分配を確立して中間層を広げる」と訴えた。
「交通ネットワークの 強靱 化」を掲げ、リニア中央新幹線の開業の前倒しを後押しする考えを示した。アニメや活字文化などの保護を国家戦略の柱に位置づけ、支援拠点として「メディア芸術ナショナルセンター」を早急に整備するとした。政治不信を 払拭 するため、「改革・対話型」の政治を目指すとし、「徹底した透明性と説明責任を果たす」と強調した。
総裁選は国会議員票367票に、国会議員票と同数の党員・党友票を合わせた734票で争われる。1回目の投票で過半数を得た候補がいない場合は上位2人による決選投票となる。
これまでに小林鷹之・前経済安全保障相(49)、石破茂・元幹事長(67)、河野太郎デジタル相(61)、林芳正官房長官(63)、茂木敏充幹事長(68)、小泉進次郎・元環境相(43)、高市早苗経済安全保障相(63)、加藤勝信・元官房長官(68)が出馬を表明している。
出馬を目指していた斎藤健経済産業相(65)は11日、経産省で記者団に対し、「総裁選から撤兵する」と述べ、立候補を断念することを明らかにした。野田聖子・元総務相(64)も同日、出馬を断念し、小泉氏の支援に回ることを表明した。出馬に意欲を示す青山繁晴参院議員(72)は、推薦人の確保を目指している。