自民党の総裁選は、日本記者クラブ主催による討論会が開かれ、各候補同士が質問する形で論戦を繰り広げました。
上川陽子外務大臣(71)「この国をしっかりと国際社会の中で、誇りとそして存在感のある国にしていくためにも、誰1人取り残さない、新しい日本の景色を作ってまいります」
茂木敏充幹事長(68)「国民の間には負担増への不安というのが高まっているところであります。誰も掲げていない、この『増税ゼロ』の政策を推進して、経済を再生し、一人一人の所得、年収を上げていきます」
過去最多、9人が参加して行われた討論会。これまでの議論を踏まえ、候補者間で突っ込んだ質問が飛び交いました。
【防災省構想について】林芳正官房長官(63)「例えば自衛隊、例えば警察、例えば消防、こういう方々は防災省に入っていくのか」
石破茂元幹事長(67)「今ある内閣防災担当の人員を強化し、そして予算を増やす。これが第一段階です。その先に自衛隊・警察のみならず、各省庁との関係をどうするか、それが最終的究極系としての防災省である」
林芳正官房長官(63)「中身の議論をまずやってからですね、必要があれば庁なりの組織にしていくということが非常に現実的だと」
【解雇規制について】加藤勝信元官房長官(68)「『正規の方を雇いやすくする』という、これは具体的にどういうイメージを持っておられるのか」
小泉進次郎元環境大臣(43)「リスキリング、そして再就職の支援、これをしっかり提供する義務を企業に対して義務付ける。今のままだったら、首を切られてしまう人に、私はより安心した企業の役割を新たに義務づけることを考えています」
加藤勝信元官房長官(68)「まさにそこ(正規雇用)に至る前に本人が自発的に行く道を作っていく。私はむしろそこを大事にしていくべきだと思っています」
また、現職の閣僚である2人も、財政再建や金融政策をめぐって独自の主張を展開しました。
高市早苗経済安保担当大臣(63)「(金利引き上げは)はっきり言うと早いと思っております。私は金融緩和は続けるべき時であり、ここはもう少し我慢をして続けるべきである」
河野太郎デジタル大臣(61)「調子よく借金をしてどんどんお金を使ったからといって、経済が果たして成長をするんだろうか。財政収支をどうするんだという議論をしなければなりません」
このほか、小林前経済安保担当大臣は、若い世代の社会保険料軽減を掲げていることについて、高齢者に負担を求めるのか問いただされました。
小林鷹之前経済安保担当大臣(49)「今の制度をベースにですね、プラスなのかマイナスなのかということではなくて、より広い意味でのあらゆる選択肢を俎上に載せて、私はより広くこの社会保障制度というものを捉えるべきだと思っています」
政治とカネの問題をめぐっても論戦は交わされましたが、各候補ともこれまでを超える主張はありませんでした。