パワハラの訴えも…名古屋城木造復元巡り河村市長と職員が対立「市長は理解すべきものをしなかった」

名古屋城の木造復元をめぐり、市長と職員の間に深刻な意見の対立があったことが明らかになりました。職員からは市長の言葉をパワハラに感じたとの声もあがっています。
■バリアフリー化「市長は理解すべきものをしなかった」
名古屋城のバリアフリー化についての市民討論会で差別発言があった問題で、9月19日に報告書の全文や、弁護士らによる職員へのヒアリングの結果などが公表されました。
職員へのヒアリングでは、「最終的に市長の判断だが、(バリアフリーという)社会の要請に答えないことを、われわれとして実現していいのか」「簡単にいうと、はしご外されているだけなんです」「われわれはきちんと説明をしたうえで、理解をすべきものを理解しなかったのは市長」との証言があったといいます。 エレベーターやそれに代わる新技術の導入に一貫して否定的な河村市長に対し、市の職員は「バリアフリー化しないことはありえない」と説得を繰り返しましたが、溝は埋まりませんでした。
報告書は「史実に忠実な復元」について市役所内部で解釈が一致していなかったことが、市民の混乱や意見の対立を招いたと指摘しています。
■河村市長に「パワハラ」の指摘も
弁護士らからのヒアリングの場でも「だめだ、役人は」などと、いらだちを露わにした河村市長に対し、職員からは「パワハラ」の訴えまで飛び出しました。 河村名古屋市長(2019年4月1日): 「みんな切腹と。その代わり、私一人では切腹しません。関係者全員切腹です」
河村市長は木造復元への決意を激しい言葉で示していました。市長はこの「切腹」という発言を打ち合わせでも繰り返したといい、職員からはパワハラに感じたという証言も寄せられました。 19日朝、河村市長は取材に対し「パワハラ」を否定しました。
河村名古屋市長(9月19日朝): 「切腹するくらいの決意でやらな、やれーせんがね。文化を守るのはものすごく大事なことで、それも人権問題ですから」 名古屋市は今後、第三者委員会で事実関係を調査するとしています。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする